遊びとは何か?

 ヨハン・ホイジンガという文化人類学者が、人間の遊戯について詳細に分析した「ホモ・ルーデンス」という本があるのですが、近頃、玩具や遊びについて興味を持ち出した僕は、この本を読んで色々と勉強しています。
 「ホモ・ルーデンス」とは「遊ぶ人間」という意味であるそうですが、この本ではその「遊ぶ人間」が正に全面肯定されていて、ニートを自称する僕でさえも少しあっけにとられてしまう位です。例えばその本には次の様な事が書いてあります。
 
 「遊戯―真面目の対立をもう少し詳しく観察すると、この二つの語が決して等価ではないことが分かる。遊戯はポジティブであるが、真面目はネガティブである。真面目の意味内容は遊戯の否定であると規定できるし、実際それに尽きている。<真面目>とは単に<遊戯でないもの>であって、それ以外のものではない。これに反して、遊戯の意味内容は、決して<真面目でないもの>と定義できないし、それに尽きるものでもない。つまり、遊戯というのは何か独自の、固有のものなのだ。遊戯という概念そのものが、真面目よりも上の序列に位置している。真面目は遊戯を閉め出そうとするのに、遊戯は真面目をも内包したところでいっこう差支えないからである。」

 どうですか、皆さん。この文章を読むと普段ブラブラしている自分が何か誇らしく思えてきませんか?かつて、花村萬月という小説家が、「努力」って言う言葉を聞くとむかついてくるという発言をしていたのを聞いたことがあるのですが、その真意がやっとわかりました。
 努力なんて、遊戯に比べれば大した事ないんですね。
 人生は、詰まるところ自由なんだという当たり前のことに気付けた今日は、喫茶店でだらだらしていただけとはいえ、なかなかいい一日でした。